(6) 体脂肪燃焼3割アップ
「体脂肪燃焼3割アップ」
気になる腹の回りをすっきりさせたいが、時間が限られる。ただし最大限の効果は上げたい。そんな人に向くのは、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動の前に、15分程度の筋力トレーニングを取り人れる方法だ。これによって体脂肪の燃焼効率を約3割向上させることができる。メタボリック症候群対策としても有効だ。
東京都内の金融機関に勤めるAさん名(37)は、腹囲が92cmと女性の基準値(90cm以上)を超える内臓脂肪型肥満であることなどからメタボリック症候群予備軍と診断された。医師から1日1時間のウオーキングをすすめられたが、効果が見えにくい運勣を毎日長時間続けるより、短時間で大きな効果を期待できる運動はないかと考えた。
そんなAさんの要望にすすめられたのは、15分間の筋力トレーニングを週2回以上行い、その後15〜30分のウオーキングをこなしてから低カロリーの食事をとる運動サイクル。これを3ヵ月続けたところ「腹囲が92cmから84cmに減り、体が軽く感じるようになった」という。
そのメカニズムは「筋トレを行うことで成長ホルモンか分泌され、運動から6時間後まで脂肪を分解し続ける。この問に脂肪を燃やす効果が大きい有酸素運動をすると、事前に筋トレをしない場合に比べ平均で3割ほど効率よく脂肪を燃焼させられる」と説明した。
筋トレだけを行う、筋力は増えても動脈が硬くなる。有酸素運動を組みあわせれば、その問題を解消できる。
一般の人にすすめられるのは、1日15分程度のメニューを3日に1回こなす方法だ。同メニューでは、床に座って膝(ひざ)を胸につけるニー・トゥ・チェストで腹筋を、中腰の姿勢からゆっくり立ち上がるスクワットで尻、太ももの筋肉を鍛える。「筋トレによる脂肪の分解作用や基礎代謝量は、体の筋肉量にほぽ比例する。大きい筋肉を鍛えるのが効果的」という。
筋トレをする場合は、5〜10回しか繰り返せないようなきつめの運動を3セット繰り返すようにする。動作を3〜5秒かけてゆっくり行うことで、強めの負荷を確保することが大切だ。
ただし準備運動はけがを防ぐために筋肉をほぐすのが目的なので、自然な動きでよい。疲労を残さないためのクールダウンも忘れずに。ニー・トゥ・チェストの後には、うつ伏せになって両手で上体を反らして腹筋を15〜20秒伸ぱす。スクワットの後は屈伸を5回行う。
筋トレ後の有酸素運動で効果が高いのはジョギングだが、運動不足の場合は負荷が高くなり過ぎる恐れがある。その場合は、ウオーキングやサイクリングが向いている。改まった運動が苦手な人は遠く歩くようにしたり、階段の上り下りの機会を増やしたりするなどで日常の運動量を増やせばそれが有酸素運動となる。
時間不足で15分以下の有酸素運動しかできない場合、筋トレの20分後に実行すると脂肪燃焼効果が特に上昇し、約2倍になる。
こうした運動を3ヵ月続けるのが難しいと考える人もいるだろう。その場合は家庭用ゲーム機の有酸素運動用ソフトを活用するなど、なるべく楽しみながら運動すると長続きしやすい」と話す。また日々の運動の成果の確認は、やる気を失わないためにも大切。体脂肪計で毎日同じ時間帯に計測していけば誤差が減り、日々の体脂肪率の増減が分かる。
米などの炭水化物と野菜などの食物繊維をバランスよくとり、低カロリーの食生活を心がけることも必要だ。厚生労働省と農林水産省が作成した食事バランスガイドをネットで見ると、年齢や性別に応じた還切な食事内容が分かる。
すでにメタボリック症候群になっている人は、血糖値の急激な上昇につながりにくい食品を選ぶようにするとよい。食後のインスリン分泌量が少なくなるため、運動量が少ない状態でも、脂肪の生成が抑えられるからだ。
例えば白砂糖やパン類、白米、スナック菓子は避けた方がよく、玄米や豆類、野菜を選ぶようにする。玄米や野菜は、できれば100回以上かんで食べると、血糖値の上昇を抑えやすい。
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