(3) 肥満がなくても高血圧・高血糖だと循環器病死亡リスクは2倍!
高血圧などのメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の関連要因を複数持つ男性が循環器病(心臓・脳疾患)で死亡するリスクは、要因を持たない男性の約2倍になることが16日、厚生労働省研究班の大規模疫学調査で分かった。肥満があってもなくても傾向はほぼ同じだった。
日本では、内臓脂肪型肥満(男性が腹囲85cm以上、女性が同90cm以上)に加え、高血圧、高血糖、脂質異常の三つのうち二つ以上を併せ持つ状態をメタポとしている。研究班は「現行の診断基準は肥満でない高リスク者を見落とすおそれがある」と指摘している。
研究班が全国の40〜69歳の男女約34000人を13年間にわたり追跡調査した。肥満かどうかの指標には、腹囲の代わりに体格指数(BMI)を使い、BMI25以上を肥満とした。
高血圧、高血糖、脂質異常のメタボ因子のうち二つ以上に該当する男性は、肥満であってもなくても循環器病で死亡するリスクはほぽ同じで、メタボ因子のない人の約2倍になった。
女性の場合も肥満の有無に関係なく約1.8倍となったが、サンプル数が少なく十分な分析ができなかったという。
同研究班の分析で、循環器病を予防するにはメタポよりも高血圧への対策を進めた方が効果が高いことが判明した。「今のメタボ診断基準は肥満に重点を置きすぎている。肥満ではない人の対策も徹底する必要がある」とのこと。
Tel:06-6762-4451 Fax:06-6762-2807
以下に全特集を一覧にしております。よろしければ他の特集もご覧ください